お酒を飲むことが大好きな男性は多くいると思います。
しかし、その飲酒がはたして妊活に影響を及ぼすのか、気になっている男性やそのパートナーの女性もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、アルコールが及ぼす妊活への影響と、妊活中に男性はお酒は飲んでいいのかについて説明します。
※女性のアルコールの影響は以下の記事をご覧ください
アルコールが与える精子への影響は研究機関によってまちまち
アルコールが妊活に与える影響についての研究で有名なものとしては3つあります。
アメリカとヨーロッパでおこなわれた男性のアルコール摂取量と精液の関係について調べた研究によると、アルコールと精液の関連性はみられなかったという報告があります。
しかし一方で、アメリカの医療学会である米生殖医学会(ASRM)によると、「男性のアルコール摂取量が増えると、精子の濃度と運動性が低くなり、受精の確率も下がる」という研究結果もあります。
受精が成立しなければ、当然、妊娠することはできません。妊活中のカップルの場合は、女性だけでなく男性もアルコールの大量摂取は避けた方がいいでしょう。
ハーバード大学のBrooke V. Rossi博士が妊娠したいと考えている2,500人以上の男女を対象に「妊娠とアルコール摂取について」の研究を行いました。
その結果、1週間に4杯以上のお酒を飲む女性の妊娠率が18%も低く、男性の場合はパートナーの妊娠率が14%も低くなるということが分かったそうです。
男女共にお酒を飲むカップルにおいては1週間に最高4杯のお酒を飲んだ場合、妊娠率が26%も下がったそうです。
特に、女性が週4杯の白ワインを飲んでいたケースと男性が週4杯のビールを飲んでいたケースが最も妊娠に悪影響を及ぼしていたといわれていて、女性の妊娠率は24%下がり、男性のパートナーの妊娠率が30%も低くなったそうです。
アルコール摂取が体外受精に与える影響については引き続き研究が行われていますが、他の動物実験の結果から「アルコールが細胞分裂に何らかの影響を与えてるのではないか」と考えられているようです。
これはあくまで体外受精に関する実験結果しかないのですが、自然妊娠の場合も、アルコールが細胞にダメージを与える可能性があるという事を考えると、お酒の大量摂取は控えた方が良いでしょう。
アルコールは活性酸素を発生させ、精子に対する影響もある
肝機能などへの影響は男女共に同じリスクがありますが、妊活中の精子への影響はあるのでしょうか?
アルコールを飲むと、アルコールの分解からできたアセトアルデヒドが肝臓の細胞に作用して、活性酸素を生み出します。活性酸素が発生します。この活性酸素は女性の卵子に影響があると言われていますが、男性の精子も活性酸素の影響を受けてしまうため、妊活に影響を及ぼします。
精子は日々作られますが、射精できる精子になるまでは3ヶ月かかると言われています。3ヶ月経って射精しなかった精子はやがて消滅します。
射精に至るまでの3ヶ月の間に、飲酒の影響で活性酸素が大量に発生することになると、質の高い精子を作ることができなくなります。
アルコールの大量摂取さえ避ければ問題ない
ここまで男性のお酒が妊活に与える影響をみてきましたが、これらの殆どが大量にお酒を飲んだ場合の影響だといわれています。
ここでいう大量とはビール中びん(3本)、日本酒(3合)、ウイスキー・ダブル(3杯)以上のことを指すので、これを越さない程度なら問題はなさそうです。
ただ、男性の生殖能力とアルコールの関係で明らかになっていないものもあるので、少量(週1~2日にビール200~400ml程の量)に抑えておいたほうが無難かもしれませんね。
あまり禁酒でストレスをかけるとこちらも悪影響を及ぼすため、お酒はほどほどを守りましょう。