不妊治療の成功率を高めるため、禁欲することを考えられている男性の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、本当に禁欲することにより妊娠率が高まるのか?
今回は、気になる妊活時の禁欲期間について、解説したいと思います。
禁欲期間が長いとむしろ精子の質は下がる
従来、自然妊娠でも、人工授精や体外受精に用いる場合でも、3~4日くらいの禁欲期間を設けるほうが妊娠に有利であると考えられていました。禁欲期間を設けることで、精巣内に蓄積される精子や精液の量や濃度が増えるためです。
しかし、最新の調査によると、禁欲期間が短いほうがDNAの損傷率が低いことが明らかになっています。
男性の精子のDNA損傷率は低い、つまりDNAが傷ついている精子の割合が低いことが、健全な妊娠や出産のためにとても重要であると考えられています。
DNAが損傷されることで受精能力の低下、胚の発育不良、赤ちゃんの先天異常や発がんリスクの上昇、流産などを招く危険性もあると言われています。これは、人工授精や体外受精をする際だけでなく、タイミング法を行う場合も同様です。
精子は毎日作られるため、禁欲期間が長いほど精子の数は増えるものの、古い精子は状態が悪くなり死んでしまいます。
そのため、死んでしまった精子から発生する活性酸素の影響で、精子にダメージを与えてしまいます。結論として、質の良い精子を求めるには禁欲期間が短い方が良くなります。
また、それ以外にも禁欲期間が長いとストレスが溜まりやすい、免疫力が低下する、といった研究結果も出ています。
禁欲期間の長さは3日以内に
禁欲期間の目安としては、3日以内にすると良いと言われています。3日以内であれば、精子の損傷率も低いためです。
男性が妊活に臨む際は、禁欲期間も意識してくださいね。