妊活中の女性でも、コーヒーが好きでよく飲まれる方も多いと思います。しかし、コーヒーに含まれるカフェインが妊活に影響するという話もあるようです。本当にコーヒーは妊活をする方にとって良くないものなのでしょうか?
そこで今回は、妊活とコーヒーの関係について解説します。
少量であれば妊活中にコーヒーは飲んでも問題ない
結論から言うと、少量であれば全く問題ありません。具体的にはどの程度コーヒーを飲むことができるのかについては、世界でもいくつか指標を作っています。
例えば世界保健機関(WHO)では、「妊婦のコーヒー摂取量を一日3~4杯までにすべき」としています。
また、英国食品基準庁(FSA)は、「妊婦がカフェインを摂りすぎることにより、出生児が低体重となり、将来の健康リスクが高くなる可能性がある。妊婦の一日あたりのカフェイン摂取量を200mg(コーヒー2杯程度)に制限する」としています。
以上のように機関によってもコーヒーの杯数が変わっています。これは、人によっても体質が異なるため、あくまで目安になります。
ですので、もし安全を見るのであれば、1日1杯まで、と決めておくことをおすすめします。
また、実はコーヒーをはじめカフェインは様々な食品に含まれています。
例えば、市販のインスタントコーヒーには100mlあたり40mg含まれていると言われていますが、緑茶にも100mlあたり20mgのカフェインが含まれています。
そのため、現実的にはカフェインを全く取らないことは不可能です。
それぞれの飲み物のカフェイン含有量
玉露1杯(100ml):120mg ※1杯で基準値以上になる
コーヒー(ドリップ100ml):90mg※1杯までOK
コーヒー(インスタント100ml):45mg ※2杯までOK
コーラ1本(500ml):50mg ※2本までOK
ココア1杯(100ml):30mg※3杯までOK
紅茶1杯(100ml):20mg ※5杯までOK
ほうじ茶1杯(100ml):20mg※5杯までOK
ウーロン茶1杯(100ml):20mg ※5杯までOK
緑茶1杯(100ml):20mg ※5杯までOK
コーヒー(カフェイン)が妊活に与える影響
コーヒー(カフェイン)が妊活に与える影響としては大きく3つあり、1.睡眠の質への影響 2.身体の冷え 3.妊娠後の赤ちゃんへの影響が挙げられます。
1.睡眠の質への影響
生理周期はエストロゲンとプロゲステロンというふたつのホルモンがしっかり分泌されていると安定します。そして、この2つのホルモンは睡眠時に最も分泌されると言われています。
コーヒーをはじめとするカフェインを摂取すると、眠りが浅くなるため、その結果このエストロゲントプロゲステロンのホルモン分泌にも影響が出ます。
つまり、コーヒーを飲むことで間接的にこのホルモン分泌に影響を及ぼしていると言えます。
2.身体の冷え
コーヒーに含まれているカフェインは、身体を冷やす作用を持っています。
カフェインには利尿作用といって身体の水分をおしっことして出すのを促す働きがあり、その際に身体が冷えるようです。そして、冷えは女性の子宮に作用し、妊娠率を下げる結果につながります。
3.妊娠後の赤ちゃんへの影響
カフェインの大量摂取で、お腹の赤ちゃんに流産のリスクが高くなったという研究結果が報告されています。
女性が妊娠を疑い始めるのは、妊娠6~7週が多いのですが、この頃(超妊娠初期)はすでに赤ちゃんは後の「脳」や「脊髄」となる重要な器官の形成が始まっており、赤ちゃんはカフェインの影響を受けます。
また、カフェインを摂取すると、産まれてくる子供の肥満の率が高まることが15年のアメリカでの研究により分かっています。これは、カフェイン摂取量が多ければ多いほどその肥満の率が高まるそうです。カフェインが糖質の代謝を妨げたり、血糖値の上昇を誘引するためと言われています。
つまり、妊娠に気がつく妊活中から、赤ちゃんがいる可能性を考えてコーヒーやカフェインの大量摂取を控えるのが無難です。
コーヒーの大量摂取さえ避ければ妊活に影響はない
ただし、コーヒーは少量であれば妊活には大きな影響を及ぼしません。
あまり多く飲むと妊活に影響を及ぼしますが、逆にコーヒーが好きな方が制限しすぎてしまうとそれがストレスになり悪影響の方が大きくなります。
そのため、コーヒーは1日1杯と自分なりにルールを作って、あまり自分自身にプレッシャーをかけないことが大切です。
また、コーヒーをカフェインのないディカフェにするなどの工夫もよいかもしれませんね。