妊活中に薬は飲んでいいの?(男性編)

女性は妊活中に薬の服用を気を付けるべきことがありますが、こと男性においてはどうすればよいかわからない方もいらっしゃると思います。

そこで今回は、男性は薬の服用をしていいのか?気を付けるべき薬はあるのか、ご説明します。

※男性の薬の服用については以下の記事をご覧ください

妊活中の生活では、妊娠したことも考えておく必要があります。特に将来産まれてくる赤ちゃんに影響があるかが心配になって、薬を飲むことに躊躇される...

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男性は妊活中の薬の服用はほとんど気にする必要はないが、一部注意が必要

一部の薬を除いてほとんど心配する必要はありません。

もし薬で影響が出た精子があったとしても、そのような精子では妊娠に至りません。

一部、昔の痛風の薬に奇形の可能性が言われていましたが、現在では処方されていません。

ただし、一部の薬は気を付けるべきものがあり、また生殖器障害に繋がり上手く精子が作りづらくなるものもあります。

服用を気を付けるべき薬剤

骨髄腫治療薬のサリドマイド、レナリドミド

精液を介して女性に影響が行くタイプの薬が、サリドマイドやレナリドミドです。
これらの薬は多発性骨髄腫の治療に使われることが多く、サリドマイドについては、妊婦の服用で胎児奇形が生じた事件が有名です。

女性が服用するのはもちろん危険ですが、男性側の服用でも女性の体に影響があるので、服用中の妊娠は避けてください。

抗ウィルス薬のリバビリン

サリドマイドやレナリドミドと同じように、服用している男性の体から女性側に影響が出る薬が、リバビリンという薬です。これは主にC型肝炎の治療に使われる薬で、C型肝炎ウィルスを退治してくれる働きがあります。

リバビリンについても、服用中の性交渉では妊娠しないように十分注意してください。

コルヒチンは出来れば飲まない方がよい

痛風の治療に使われている薬がコルヒチンというもので、コルヒチンはサリドマイドやレナリドミドのように、女性側への薬物移行の可能性は限りなくゼロに近いです。

ただし、精子異常を引き起こす可能性が高くなるとの報告もあり、より安全に妊活するなら避けておいた方が良いでしょう。

リバビリンやレナリドミドなど、精液を介して女性の体に影響が行く薬を飲んでいる場合は、服用中止後半年は避妊を続けなければいけません。というのも、薬の使用中に作られた精子による影響が考えられるからです。

リバビリンなどの薬の使用中に性交渉を持つ場合はコンドームを必ずつけ、妊活については薬を飲み終わってから、適宜医師の判断に従ってください。

男性生殖器障害に繋がる薬剤

精巣は、精子形成機能と性機能を担っている機関であるため、薬剤にとってこれらが障害されると精子形成低下や性欲減退などが起こり男性不妊症の原因になる場合があると言われています。下記に主な原因薬剤を列挙します。

・抗悪性腫瘍役(アルキル化薬など):テストステロンや精子の生成障害による無精子症
・ベンゾジアゼピン系薬剤の中毒患者:精巣の萎縮
・抗不整脈薬(アミオダロン)、大麻:テストステロンの合成低下や性欲減退
・免疫抑制薬(シクロスポリン):精液量の減少
・持続性サルファ剤(サルゾスルファピリジン):精子数の減少、運動能力の低下
・H2受容体拮抗薬(シメチジンの大量投与):性欲低下

また、抗がん剤などでは動物実験で精巣毒性や精子形成能などの影響が考えられる薬剤がありますが、避妊機関の記載のないものがあります。

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万が一に備え、かかりつけの医師に相談を

これまで説明した通り、男性は薬の服用についてはほとんど気にする必要はありません。

しかし万が一ということもありますので、持病等があり薬を服用されている方は妊活に取り組む前に必ず担当の医師に伝えてください。

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