3歳は、自立心が育ち、知識欲も高まる時期です。パパ・ママも、「なんで?」「どうして?」といった質問攻めにあうことも増えてくるでしょう。このころになると絵本を読むとストーリーに入り込む子も増えてきます。
そこで今回は、3歳の子におすすめの絵本を5冊ご紹介します。
おおきなかぶ
あらすじ
おじいさんが植えたかぶが、甘くて元気のよいとてつもなく大きなかぶになりました。おじいさんは、「うんとこしょどっこいしょ」とかけ声をかけてかぶを抜こうとしますが、かぶは抜けません。おじいさんはおばあさんを呼んできて一緒にかぶを抜こうとしますが、かぶは抜けません。おばあさんは孫を呼び、孫は犬を呼び、犬は猫を呼んできますが、それでもかぶは抜けません。とうとう猫はねずみを呼んできますが……。
解説
ロシアの代表的な民話を、内田莉莎子さんがリズミカルで簡潔な響きの文章に訳出し、彫刻家の佐藤忠良さんが絵を描いた作品です。リズミカルな「うんとこしょ、どっこいしょ」のかけ声、「なかなか抜けずに助っ人を呼ぶ」が何度も繰り返された後、ようやくおおきなかぶが抜けるスッキリ感、頑張ったみんなのとびきりの笑顔。小さな子どもたちを夢中にさせてくれます。リアリズムとユーモラスとが共存する昔話絵本の最高傑作です。
ぐるんぱのようちえん
あらすじ
ぐるんぱは、ひとりぼっちの大きなぞうです。ビスケットやさん、靴屋さん、ピアノ工場、自動車工場……。ぐるんぱは、色々な仕事場で一生懸命に働きますが、つくるものが大きすぎて失敗ばかり。そんなときぐるんぱは、子どもがたくさんいるお母さんに出会います。子どもたちの世話をたのまれたぐるんぱは、とても素敵なものを作ります。それはぐるんぱが作った大きなものでたくさんの子どもたちが遊べる、すてきな幼稚園でした。
解説
ぐるんぱの一生懸命さと失敗したときのしょんぼりした様子を見ていると胸が痛みますが、最後に「幼稚園」を開いて、子どもたちに囲まれて生き生きと働くその姿には心から拍手を送りたくなるはず。色鮮やかでやさしい絵が、お話とぴたりと合っている。1965年発売の名作絵本です。
おばけのてんぷら
あらすじ
うさこがごきげんでてんぷらをあげていると、においにさそわれた山のおばけが、そーっとしのびこんできました。さあ、たいへん!
解説
おばけといってもかわいらしいおばけで、くすっと笑ってしまうようなストーリー。保育園などでも人気の作品です。
そらまめくんのベッド
あらすじ
そらまめくんの宝物は、雲のようにふわふわで、綿のようにやわらかいベッド。だからだれにも貸してあげません。ある日、そのだいじなベッドが突然無くなってしまったからさあ大変! そらまめくんは必死でベッドをさがしますが、どこにもありません。ところが、やっと見つけたベッドには、うずらがたまごを生んで温めていたのです。さて、そらまめくんは……。
解説
人気のそらまめくんシリーズのベストセラー。おまめさん、まめのつる、くさむらの緑、月夜の光の下の緑など、緑にあふれる絵本。子どもたちに大人気の愉快なそらまめくんが大活躍する絵本です。
どうぞのいす
あらすじ
ウサギさんが小さな椅子を作ります。それを野原の木の下に置き、そばに「どうぞのいす」と書いた立て札も立てました。はじめにやってきたロバさんは、椅子の上にドングリがいっぱい入ったカゴを置いて、ちょっと一休み。気持ちよくて眠ってしまいます。
そこへクマさん、キツネさん、リスさんと動物たちが次々とやってきて、カゴの中のものを全部食べてしまいます。しかし、その度に「でも からっぽに してしまっては あとの ひとに おきのどく。」と言って、持っていたものをカゴに入れていくのです。そして最後にあったのは…?
解説
うさぎさんが作った椅子をめぐって次々に繰りひろげられる取りかえっこ。「どうぞ」にこめられたやさしさが伝わってくるロングセラー絵本。「思いやり」がテーマですが、優しくテンポの良い言い回しと色遣いも合わさり、何度読んでも飽きずに心を穏やかにしてくれます。親子とも温かい気持ちにさせてくれる絵本。