4歳になると興味の範囲が広がり、自己主張も強くなってきます。絵本も、単純にリズムの良いものから、起承転結のあるストーリー性があるものを好みます。
そこで今回は、4歳におすすめの絵本を5冊、ご紹介します。
ちょっとだけ
あらすじ
弟が生まれて、なっちゃんはお姉さんになりました。お母さんは赤ちゃんのお世話で忙しいので、いつもなっちゃんの要求に応えてあげるという訳にはいかなくなりました。そこで、なっちゃんはいろんなことを「ちょっとだけ」自分ひとりでやってみます。なっちゃんは、ちょっとずつ頑張ってお姉さんになっていきます。でも、眠くなった時だけは、どうしてもお母さんに甘えたくなります。
解説
お姉さんになったことで感じる切なさ、そしてそれを乗り越えることで成長していく子どもの姿を母親の深い愛情とともに描いています。特に2人目の子供ができ、お兄さん・お姉さんになった子供に読ませてあげたい本です。また、そういった子供を持つパパ・ママは、涙なしには読めないかもしれません。愛情いっぱいの絵本。
ぐりとぐら
あらすじ
お料理することと食べることが何より好きな野ねずみのぐりとぐらは、森で大きな卵を見つけました。目玉焼きにしようか卵焼きにしようか考えたすえ、カステラを作ることにしました。でも、卵があまり大きくて運べません。そこでフライパンをもってきて、その場で料理することにしました。カステラを焼くにおいにつられて、森じゅうの動物たちも集まってきます…。
解説
1963年に「こどものとも」誌上で発表されて以来、日本だけでなく世界各国で愛され続けるふたごの野ネズミ「ぐり」と「ぐら」のお話。おそらく読んだことがあるパパとママも多いのではないでしょうか?絵も内容もとても癒される内容に仕上がっています。
作者の中川さんは当時、保育園で保育者をしていて、絵本『ちびくろさんぼ』に登場するホットケーキよりもっと上等でおいしいものを子どもたちにごちそうしようと思い、大きな卵をつかったカステラが出てくるおはなしを考えたそうです。
その黄色いかすてらは、昔から今もずっと子どもたちの憧れです。
ラチとらいおん
あらすじ
ラチは気が弱く、世界でいちばん弱虫。犬をみると逃げ出しますし、暗い部屋には入ることができません。そんなラチがある日、小さな強いライオンと出会います。ラチはライオンがそばにいてくれることで少しずつ強くなっていきます。ある日、友だちのボールをとったのっぽの男の子をラチは夢中でおいかけボールを取り返します。ふときがつくとライオンの姿はありません……。あわてたラチが家にもどると、ライオンからの素敵な手紙が残されていました。犬を見ると逃げ出すし、暗い部屋には怖くて入ることができません。おまけに友だちからも仲間はずれにされてしまいます。
解説
弱かったラチがライオンの助けを借りて強く成長していく過程は、常日頃新しいものに遭遇し、時には恐怖を持っている子供たちにとって大いに共感する内容です。夢をかなえるためには、強くならなければならないこと。強くなれば、やさしくなれること。そして別れを乗り越えて、また強くなること。大切なことを教え終えたら、置手紙だけを残して去る「らいおん」がいつまでも心に残る。なめらかに動く小さな体や「きみ、よくみていたまえ!」といった大人びた口調も、なんとも魅力的です。1965年発売以来のロングセラーです。
めっきらもっきらどおんどん
あらすじ
遊ぶ仲間をさがしてお社までやってきたかんたでしたが、誰もおらず、しゃくだから大声でめちゃくちゃの歌を歌いました。
するとご神木の根元の穴から大声が。かんたが覗き込んだその途端、穴に吸い込まれてしまいました。
やって来たのはおばけの三人組。かんたはおばけたちと次々に遊びます。
遊びつかれておばけたちが眠ってしまうと、かんたは心細くなって思わず「お・か・あ・・・」と叫びます。
その途端、かんたは光の渦に吸い込まれて・・・
解説
リズムのよいシンプルな文章と、スピード感のある展開が魅力の作品です。
出てくるのは妖怪なのでちょっと怖いような気もしますが、三人とも個性的で愛らしいキャラクターです。
「ちんぷく まんぷく・・・めっきら もっきら どおんどん」という歌も楽しいですね。
不思議の世界を満喫して、ちょっとさびしくなり、お母さんのことを思い出したところで現実の世界に戻ってくるという、ファンタジーの王道のような絵本です。安心して楽しめる冒険作品です。
バムとケロのにちようび
あらすじ
雨の日曜日。犬のバムは、家で本を読むことにします。でもその前に、散らかった部屋を片付けて、お菓子を用意しよう、と思っていたら、どろんこびちゃびちゃのカエルのケロちゃんが帰ってきます。お風呂にはいって、ケロちゃんもお部屋も何もかもがつるっときれいになったら、おやつをつくって、いざ本をとりに屋根裏へ。でも、そこにはガにねずみ、虫がうじゃうじゃ。バムはいつになったら、静かに本が読めるのだろう。
解説
おおらかで心優しい犬のバムと、やりたい放題がかわいいカエルのケロちゃん。そのキャラクター設定とストーリーもさることながら、この絵本の最大の魅力は、グラフィックデザイン出身の作者による細部にまでこだわって描かれた絵。緑の長靴をはいた小さなテーブル、赤い犬型の浴槽、そしてケロの形をした椅子。バムとケロの家は素敵な家具や小物であふれている。何回読み返しても、さっきは気付かなかった小さな置物や隠れたキャラクターなど、新しい発見をすることができるだろう。大人も子どもも繰り返し手を伸ばしてしまい、にこにこしながら読んでしまいます。開くたびに新しい発見がある愉快な本。