「シートベルトはお腹を締め付けてしまうため、妊婦はシートベルトをしなくてもよい」という噂がまことしやかにささやかれています。特に妊娠中期以降になるとシートベルトは締めにくくなりますよね。
しかし本当に妊婦さんはシートベルトをしなくてもよいのでしょうか?また、シートベルトを締めなければいけない場合は、どうすればよいのでしょうか?
そこで今回は、妊婦さんのシートベルト着用について解説します。
妊娠中でもシートベルトは着用する義務がある
結論から言うと、妊娠中でもシートベルトを締める必要があります。シートベルトをしていないと、もし衝突事故が起こった場合に本人はもちろん、座席などにぶつかってお腹の赤ちゃんまで影響があります。
実際、シートベルトを着用していないがために妊婦さんが亡くなってしまった痛ましい事故も発生しています。
「妊婦がシートベルトを締めなくてもよい」という誤った噂を正すため、2008年の「交通の方法に関する教訓(国家公安委員会告示)」で、妊婦さんのシートベルト着用を勧める一文が追加されています。
道路交通法では、妊娠中であることにより座席ベルトを装着することが療養上又は健康保持上適当でない場合に限ってシートベルトの着用が免除されています。
逆に言うと、健康な妊婦さんであればシートベルトの着用は義務であり、つわりのときでも着用しておくことが求められます。
ポイントは、肩ベルトと腰ベルトがお腹のふくらみに掛かることを避けること
日本産科婦人科学会が発行している「産婦人科診療ガイドライン」では、「妊婦さんからシートベルト着用に関して尋ねられたら?」という項目があり、その回答欄には以下のように記載があります。
「斜めベルト(肩ベルト)は両乳房の間を通し、腰ベルトは恥骨上に置き、いずれのベルトも妊娠子宮を横断しない」
また、日本産科婦人科学会は警視庁とともに、妊婦のシートベルト着用を推奨するポスターを作成・公表しています。
ポイントとしては以下の4点になります。
2.肩ベルトは胸の間を通し、おなかの側面に通す(胸から脇に通す)
3.肩ベルトは首に掛からないようにする
4.腰ベルトはおなかの膨らみを避け、腰骨のできるだけ低い位置を通す(太ももに近い場所に通す)
「肩ベルトと腰ベルトがお腹のふくらみに掛かることを避ける」ということです。体型や座り方によってなかなか難しい場合は、妊婦用の補助ベルト(マタニティシートベルト)を使うこともまた一つの方法です。
シートベルトをしっかり締めて、安全運転をこころがけよう
妊娠中でなくてもですが、自動車に乗るときは安全運転を心がけましょう。また、自動車に乗るときは妊娠中であってもシートベルトはしっかりと締めましょう。もし万が一何かあった時でも、ママ自身だけでなくお腹にいる赤ちゃんも守ってくれます。