育児をしているパパ・ママの中には、ご自身がギターをやっていた経験があり、子供にも将来ギターを弾けるようになってほしいと考えている方もいらっしゃると思います。
それでは、子供がもしギターを習うとしたら、いつ頃から習い始めるとよいのでしょうか?また、どのように習い、費用はどの程度かかるのでしょうか?
今回は子供の習い事としてのギターについて解説をします。
3歳くらいからであればギターは始められる
ギターを習い始める適正な年齢というのはないのですが、最も重要なのは「子供がギターを持つことができるか」です。大人と違い、子供の手は小さく握力も十分にないため、すぐにはギターを持つことができないのです。
実は子供用のギターというのが販売されており、だいたい子供の手で弦をきちんと押さえるには、3歳くらいからが一般的にされています。また、このころからギターを認識して持つことができます。あくまで個人差がありますので、その子に合わせてスタートできる年齢は変わっれ来ます。
もちろん、いつから始めてもよく、遅すぎるということはありません。小学生でも中学生でも、興味を持った時に始めるとよいでしょう。
ギターは音符ではなくコードを覚えることになる
ギターを弾けるパパ・ママであればご存知かと思いますが、ギターは楽譜上で音符を読んで弾くというのではなく、タブ譜(TAB譜)を読んで弾くことがほとんどです。
タブ譜とは、6本の線が引かれており、上から1弦、2弦、3弦と各弦を表わしていて、各線の上に書かれた数字は、何フレットを押さえるのかを示しています。
ギターを覚えるからといって音符が読めるようになるわけではないことが多いということを覚えておきましょう。ですので、ギターを覚えることですぐに音楽の成績アップにつながることはあまりないと言えません。
もちろん、音楽のセンスは鍛えられるので間接的には良い影響を及ぼすでしょう。
上達するには忍耐強さも必要。情操教育にも適する
ギターは一通り曲が弾けるようになるまで基礎的な練習の繰り返しであり、なかなかすぐに思ったように弾けないものです。
そのため、お子さんには小さな目標を少しずつクリアしていくようにし、自宅で練習の成果を発表する時間を定期的につくるなど、達成感を感じさせる工夫をするとよいでしょう。
逆に、こういった忍耐強さが鍛えられるのはメリットでもあると言えます。
また、音楽を習うということは知能の発達にもプラスの影響があり、情操教育としても良いと言えます。 神経科学によると、楽器を習うことは認知的、感情的、社会的発達や運動能力が向上するということが分かっています。
アメリカの有名大学であるカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究チームが2万5000人に対して行った研究では、楽器や歌を学んだ生徒はそうでない生徒より学校の試験や読解能力試験の点数が高かったそうです。
また、音楽にかかわること自体が子供の能力にプラスに働きます。音楽療法(ミュージックセラピー)という言葉をご存知の方もいらっしゃると思いますが、音楽を聴くことにより呼吸の改善、血圧の低下、心拍出量の改善、心拍数の低下、筋肉の緊張緩和などのメリットがあり、ストレスや不安を軽減するのに役立ちます。
音楽を弾けるようになることで向上する能力は以下の通りです。
- 記憶力の向上
- 忍耐力が高まり、達成感が感じられる
- 数学のスキルの向上
- 読解力と理解力の向上
- 自己表現が育まれる
- 社会的スキルの向上
体に合ったギターを選ぼう
ギターの大きさは上述のように子供用ギターというものがあり、もしお子さんが小さいころから始めるのであれば子供用ギターが最初の選択肢として入ってきます。
ただし、あくまで子供用ですのであまり音質にこだわって作られておらず、チューニングが狂いやすかったりもします。低価格のエントリーレベルのギターは、一般的に劣悪な品質の素材でできています。弦が指板の上から浮きすぎてしまっていてフレットに押し付けるために余分な力を必要とするため、演奏自体が難しくなってしまうこともあります。
また、無理に大人向けのギターを使うと、手を痛めてしまう可能性がありますし、それでギターを弾くことを嫌いになってしまっては元も子もありません。安いものであれば5,000円程度で買うことができます。
子供はどんどん成長していくので、そのときにぴったりのものを買うと、しばらくするとサイズが物足りなくなると感じるかもしれません。
このような成長に応じたサイズ変更の対策としては、最初は子供用のギターを数年程度使ってその後大人用のギターを購入する方法と、ギター教室に貸してもらうという方法があります。
ギター教室によってはそれぞれのお子さんに応じて安価に貸してもらえるところもありますので、聞いてみるとよいでしょう。
別の選択肢として、大人用のギターでもショートスケールといって、通常のギターよりも小ぶりのギターもあります。
ネック(ギターの握る部分)が細いギターもありますので、お子さんによっては子供用ギターを選ばずにショートスケールやネックの細いギターを選ぶことも考えてもよいでしょう。
ただし、ショートスケールですと音階が通常のギターと違うということは認識しておいてください。
ギターの種類はアコスティックギターとエレキギターの大きく2種類
また、ギターの種類としては、アコスティックギター、エレキギターと大きく分けると2つあります。
アコスティックギターはボディが木でできており、ナイロンや金属の弦が張られているものです。ちなみに、クラシックギターは広い意味でアコスティックギターの一種と言われています。クラシックギターは特にすべての弦がナイロンで構成されているものを指します。
エレキギターは主にボディの木にコーティングがされており、アンプに通すことによって音を増幅させるものです。
それぞれ音色も異なりますので、楽器店に行って実際に弾いてみるのもよいでしょう。
ギター教室に通うことがオススメ。費用は1時間3000円程度
子供がギターを覚えるには、もしパパ・ママ自身が弾けるのであれば直接教えてあげるのもよいでしょう。
何もなく教えるには非常に難しいので、教則本などを買って、ご自身が見本を示しながら子供も弾いてみる、ということを繰り返すことで、上達させていくこともできます。
子供向けのギター教則本はいくつもありますので、気に入ったものを選ぶとよいと思います。
ただ、やはり我流で教えることになってしまうため、変な癖がついてしまう可能性は否定できません。そういったことを避けるためには、ギター教室に通わせることをおすすめします。
個人レッスンであればプロにつきっきりなってもらい無理なく上達することも可能ですし、グループレッスンであればお友達もできます。
また、ギターの貸し出しを行っているところもあります。子供向けのレッスンは通いやすい価格帯の教室が多いことが特徴です。
個人レッスンであれば1時間3,000円~6,000円、グループレッスンの場合は2,000円~4,000円程度が相場です。
長い目で見て考えた場合、ギター教室でのレッスンをおすすめします。
全国的に展開しているのはヤマハギター教室。他にも個人でやっている教室が多数
全国的にギター教室を展開しているのがヤマハギター教室。ヤマハと言えばピアノが有名ですが、ご存知の方も多いと思いますがヤマハは良質なギターも生産しています。
ヤマハギター教室はグループレッスン(5名グループで1時間)で6,500円、個人レッスン(マンツーマンで30分)で7,500円になります。コースはアコスティックギター、エレキギター両方あり、教材費は別です(ステップごとに教材費がかかり、1教材は3,800円が相場のようです。1ステップだいたい1年半程度かかります)。入会は随時受け付けています。
ヤマハギター教室のほかに広く展開しているのが島村楽器の教室です。他にも個人教室が全国で多くやっています。
体験教室をやっていることも多いので、ギターを習うか迷っている方は体験教室に参加することをおすすめします。頭の中で考えていることと実際に体験することは違います。イメージが具体的になり習うかを判断する良い材料になるでしょう。
以下は実際のコースの様子になります。
本人の「ギターを弾けるようになりたい」という意思が大切
習い事すべてに共通することですが、本人がギターを習いたい、ギターを弾けるようになりたいという意思を持っていることが大切です。無理やり習わせても長続きしません。
ぜひ、お子さんの意思をしっかり確認し、楽しくギターが弾ける環境を作ってあげてくださいね。