妊娠中に飛行機は乗っていい?いつまで?リスクや気を付けることは?

妊娠中に飛行機に乗ることにためらいを感じる妊婦さんも多いと思います。

しかし、仕事での出張や里帰り出産、計画していた旅行など、飛行機に乗る必要が出てくることもあります。

妊娠中でも飛行機に乗ってよいのでしょうか?もし乗ってもよいのであれば、いつまで乗れる?どんなことに気を付けるべき?今回はそんな飛行機にまつわる疑問について、解説したいと思います。

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妊娠中でも飛行機に乗って大丈夫。ただし、身体の負担に考慮を

妊娠中に飛行機に乗ったとしても、妊婦さんもお腹にいる赤ちゃんも健康な状態であれば、大きな問題はないとされています。

飛行機に搭乗すると放射線に晒されると言われていますが、非常に微量であり人体やお腹の赤ちゃんへの影響もないと言われています。放射線は自然界ではどこでも発生しているものであり、気にする必要はありません。

ただし、飛行機に搭乗するとずっと座っていないといけなかったり、搭乗時に機体が揺れたりするなど、母体に負担がかかることも事実です。

そのため、飛行機に乗る前に、かかりつけのお医者さんに相談しておきましょう。

また、一般的には妊娠37週後、または双子以上の赤ちゃんを妊娠している場合は32週後はフライト出来ません。これは航空会社によって異なるため、飛行機に乗ることを検討する場合は各航空会社に問い合わせをしましょう。

飛行機に乗る時期は安定期の12週から28週がベスト

 妊婦さんもお腹にいる赤ちゃんも健康な状態であれば、安定期といわれる12週~28週であれば比較的安心です。里帰り出産で飛行機を利用することを検討している方は、この期間内で里帰りするとよいでしょう。

国際航空運送協会(IATA)は妊娠32週より前のフライトを推奨しています。

また、12週に入る前の妊娠初期はまだ体が安定していないこともありますので避けた方が無難です。気圧の変化や離着陸の振動で腹部が圧迫され、それが原因で痛みや出血することも考えられます。

つわりのひどい時期は、飛行機に乗ることによりつわりが助長されることもありますので、搭乗は控えてください。

出産間際になると、医師の診断書の提出や医師同伴が必要な場合があります。具体的には、JALANAの国内線の場合、以下のように定められています。

・出産予定日を含め8日以上28日以内の搭乗:診断書の提出が必要

・出産予定日を含め7日以内の搭乗:診断書の提出と医師の同伴が必要

診断書は搭乗する日を含めて7日以内に発行された「飛行機に搭乗するにあたって、健康上支障がない」という旨を医師が明記したものになります。

航空会社によって規定が異なりますので、詳細は各航空会社のホームページをチェックしてください。予定日がはっきりしない場合や、双子以上の妊娠をしている場合も診断書の提出が求められる場合があります。

【外部リンク】JAL国内線 妊婦搭乗の際の規定

【外部リンク】ANA国内線 妊婦搭乗の際の規定

※上記リンクは国内線の場合です

搭乗中は以下の3点を心がけよう

飛行機に搭乗するにあたっては、身体の負担を軽減するため、以下のことを心がけましょう。 

1.足首の運動をする

妊娠中は特に足がむくみやすいため、足の運動をした方が良いでしょう。飛行機に乗るとエコノミー症候群のリスクがありますが、これらを回避することもできます。

また、特に4時間以上飛行すると、血栓(血栓症)を発症するリスクが高くなります。これは妊娠中でなくても起こりうることなのですが、妊娠中はよりその確率を高くします。

これは、妊娠中はエストロゲンというホルモンのレベルが高い状態にあるためです。エストロゲンは血液中の凝固因子を増加させるため、より血栓のリスクを高めるのです。

座ったままできる足首の運動を行うのがおすすめです。つま先を伸ばしたり上げたり、足首を回したりすると良いでしょう。30分に1回は行うよう心掛けてください。可能であれば機内で歩く時間を取りましょう。

2.締め付けの少ない、ゆったりとした服装にする

機内では、狭い座席に長時間座ることになります。身体を締め付けるような服は血行を妨げる原因になりますので、ゆったりした服装を心がけましょう。

上で述べました血栓のリスクを低減するための弾性ストッキングを購入するのもおすすめです。

お腹が大きくなってシートベルトの長さが足りない場合には、客室乗務員に伝えると延長ベルトを用意してくれるのでその点はご安心ください。

3.こまめに水分を摂る

飛行機の中は湿度が低いため、体の水分が奪われがちです。

その中に長時間いると、抵抗力の低くなった妊婦の方は感染症にかかりやすくなるリスクがあります。また、水分が不足すると体調を崩しやすくなります。

水分はこまめに摂るようにしましょう。また、アルコールやカフェインの摂取は避けた方が良いでしょう。

航空会社からは妊婦に配慮したサービスを受けられることも

妊婦の場合、航空会社から体の負担に配慮したサービスを受けることができる場合があります。

例えば、飛行機に優先的に搭乗することができたり、前に座席のない最前列の席を指定することができる場合があります。ANAの場合、羽田空港第2ターミナル限定となりますが、電動カートで搭乗口に移動することができます。

これらは、チェックインの際に伝えたり、予約の際に自身が妊婦であることを伝える必要があります。詳しくは各航空会社の窓口に問い合わせましょう。

飛行機に乗る前はお医者さんに相談を

妊娠中でも、飛行機に乗ることができるということはお分かりになったと思います。

しかし、搭乗中に突然体調を崩したりということもあり得ます。必ず飛行機に乗る前に、かかりつけのお医者さんに相談することは忘れないでください。

飛行機に乗るにあたっては、妊娠して何週間になるか、行き先でどのような医療機関が利用可能か、そしてどのようなリスクがあるかを考えなければなりません。

フライトの前に、助産師やお医者さんに健康上の問題や妊娠の合併症について話すことが重要です。

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