赤ちゃんの身長が伸びない!病気?対策は?

赤ちゃんは特に成長が著しいもの。ですが、身長がなかなか伸びないと、心配になってしまいますよね。

赤ちゃんの身長が伸びない場合、どのような原因があるのでしょうか?また、病気の可能性もあり得るのでしょうか?

今回は、赤ちゃんがあまり身長が伸びないときの原因と対策について、解説します。

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過度に心配しなくても大丈夫

赤ちゃんの身長は、体重と比較すると正確に測定することはできません。寝ている状態で測定するため、動いてしまったり、足をしっかりと伸ばしてくれないことも多く、誤差が発生してしまうのです。

体重が順調に増えているようであれば、あまり気にしなくても大丈夫です。

身長は、性別や家族の遺伝など、さまざまな要素の影響を受けます。パパやママは同級生と比較して子どもが「正しい」サイズであるかどうか心配しますが、より重要なのは、赤ちゃんが成長し続けているかどうかです。

1歳までの赤ちゃんの体重変化は著しく、体重がなかなか増えなくなると心配になりますよね。体重が増えないと不安になり、何か病気にかかったのではと...

低身長と定義されるのは100人中2人

ただし、性別が同じで月齢も同じ赤ちゃんと比べて身長が平均よりも大きくかけ離れている場合、かつ2年間身長が伸びない場合は低身長が疑われます。

具体的には、SD(標準身長)という数字が使われます。同性同年齢の身長と比べて、標準身長が2SD以下、もしくは2年間の成長速度が-1.5SD以下である場合に低身長とされ、100人に2人くらいがこれに当てはまります。

以下の表が早見表になります。例えば、0歳6か月の男の子の場合、63.1cm以下ですと低身長に該当することになります。

月齢 男の子 女の子
平均身長 標準偏差 -2SD 平均身長 標準偏差 -2SD
0ヶ月 49.0 2.1 44.7 48.4 2.1 44.2
0歳1ヶ月 53.5 2.2 49.1 52.6 2.1 48.4
0歳2ヶ月 57.9 2.2 53.4 56.7 2.2 52.4
0歳3ヶ月 61.4 2.2 56.9 60.0 2.2 55.6
0歳4ヶ月 64.2 2.3 59.6 62.6 2.2 58.2
0歳5ヶ月 66.2 2.3 61.6 64.6 2.3 60.1
0歳6ヶ月 67.8 2.4 63.1 66.2 2.3 61.6
0歳7ヶ月 69.2 2.4 64.4 67.5 2.3 62.9
0歳8ヶ月 70.5 2.4 65.6 68.9 2.4 64.1
0歳9ヶ月 71.7 2.5 66.7 70.0 2.4 65.2
0歳10ヶ月 72.8 2.5 67.8 71.2 2.4 66.3
0歳11ヶ月 73.9 2.5 68.8 72.3 2.5 67.4
1歳0ヶ月 75.0 2.6 69.8 73.4 2.5 68.4
1歳1ヶ月 76.0 2.6 70.8 74.5 2.5 69.4
1歳2ヶ月 76.9 2.6 71.6 75.5 2.6 70.3
1歳3ヶ月 77.8 2.7 72.5 76.5 2.6 71.3
1歳4ヶ月 78.7 2.7 73.3 77.5 2.6 72.2
1歳5ヶ月 79.6 2.8 74.1 78.4 2.7 73.0
1歳6ヶ月 80.5 2.8 74.9 79.4 2.7 73.9
1歳7ヶ月 81.4 2.8 75.7 80.3 2.8 74.7
1歳8ヶ月 82.3 2.9 76.5 81.2 2.8 75.6
1歳9ヶ月 83.1 2.9 77.3 82.0 2.8 76.3
1歳10ヶ月 83.9 2.9 78.0 82.8 2.9 77.1
1歳11ヶ月 84.7 3.0 78.7 83.5 2.9 77.7
2歳0ヶ月 85.4 3.0 79.4 84.3 2.9 78.4
2歳1ヶ月 86.2 3.1 80.1 85.0 3.0 79.1
2歳2ヶ月 86.9 3.1 80.7 85.7 3.0 79.7
2歳3ヶ月 87.6 3.1 81.3 86.4 3.0 80.3
2歳4ヶ月 88.3 3.2 81.9 87.1 3.1 80.9
2歳5ヶ月 88.9 3.2 82.5 87.7 3.1 81.5
2歳6ヶ月 89.6 3.2 83.1 88.4 3.1 82.1
2歳7ヶ月 90.2 3.3 83.7 89.0 3.2 82.6
2歳8ヶ月 90.8 3.3 84.2 89.6 3.2 83.2
2歳9ヶ月 91.5 3.3 84.8 90.3 3.3 83.8
2歳10ヶ月 92.1 3.4 85.3 90.9 3.3 84.3
2歳11ヶ月 92.7 3.4 85.9 91.6 3.3 84.9
3歳0ヶ月 93.3 3.5 86.4 92.2 3.4 85.5
3歳1ヶ月 94.0 3.5 87.0 92.8 3.4 86.0
3歳2ヶ月 94.6 3.5 87.5 93.5 3.4 86.6
3歳3ヶ月 95.1 3.6 88.0 94.1 3.5 87.1
3歳4ヶ月 95.7 3.6 88.5 94.7 3.5 87.7
3歳5ヶ月 96.3 3.6 89.0 95.3 3.5 88.2
3歳6ヶ月 96.9 3.7 89.5 95.9 3.6 88.8
3歳7ヶ月 97.5 3.7 90.0 96.5 3.6 89.3
3歳8ヶ月 98.0 3.7 90.5 97.1 3.6 89.8
3歳9ヶ月 98.6 3.8 91.0 97.7 3.7 90.3
3歳10ヶ月 99.1 3.8 91.5 98.3 3.7 90.9
3歳11ヶ月 99.7 3.9 92.0 98.9 3.8 91.4
4歳0ヶ月 100.2 3.9 92.5 99.5 3.8 91.9
4歳1ヶ月 100.8 3.9 92.9 100.0 3.8 92.4
4歳2ヶ月 101.3 4.0 93.4 100.6 3.9 92.9
4歳3ヶ月 101.9 4.0 93.9 101.2 3.9 93.4
4歳4ヶ月 102.4 4.0 94.3 101.7 3.9 93.9
4歳5ヶ月 103.0 4.1 94.8 102.3 4.0 94.3
4歳6ヶ月 103.5 4.1 95.3 102.8 4.0 94.8
4歳7ヶ月 104.0 4.1 95.8 103.4 4.0 95.3
4歳8ヶ月 104.6 4.2 96.2 103.9 4.1 95.8
4歳9ヶ月 105.1 4.2 96.7 104.5 4.1 96.3
4歳10ヶ月 105.6 4.3 97.1 105.0 4.1 96.8
4歳11ヶ月 106.2 4.3 97.6 105.6 4.2 97.2
5歳0ヶ月 106.7 4.3 98.1 106.2 4.2 97.7
5歳1ヶ月 107.3 4.4 98.5 106.7 4.3 98.2
5歳2ヶ月 107.8 4.4 99.0 107.3 4.3 98.7
5歳3ヶ月 108.3 4.4 99.5 107.8 4.3 99.2
5歳4ヶ月 108.9 4.5 99.9 108.4 4.4 99.7
5歳5ヶ月 109.4 4.5 100.4 108.9 4.4 100.1
5歳6ヶ月 110.0 4.5 100.9 109.5 4.4 100.6
5歳7ヶ月 110.5 4.6 101.4 110.0 4.5 101.1
5歳8ヶ月 111.1 4.6 101.8 110.6 4.5 101.6
5歳9ヶ月 111.6 4.7 102.3 111.1 4.5 102.0
5歳10ヶ月 112.2 4.7 102.8 111.6 4.6 102.5
5歳11ヶ月 112.7 4.7 103.3 112.2 4.6 103.0

低身長の原因

具体的な原因としては、大きく 1.病気が原因でない場合 2.病気が原因の場合 の2つに分けられます。

1.病気が原因でない場合

両親からの遺伝や赤ちゃんの体質

パパやママが小柄だと、赤ちゃんも小柄になりやすいようです。また、赤ちゃんの体質ということも。

ただし、年齢を重ねるごとに身長が伸び、標準的な身長に戻ることもあります。思春期に入って急激に身長が伸びることもあります。

小児科のお医者さんから問題ないと言われているようであれば、栄養バランスに気を付けながら見守っていれば問題ないでしょう。

赤ちゃんの身長が伸びない一番の原因はこれが大きいです。

パパやママが小柄な場合、標準身長よりも低くなる可能性が高いことは覚えておきましょう。 また、身長が伸びるスピードが遅くても、成長期にぐんと伸びる場合もあります。それは個性であり、気にする必要はありませんよ。 

栄養が足りていない

母乳やミルクをなかなか飲まなかったり、離乳食を食べなかったりすると身長が伸びない原因になることもあります。

特に極端に食が細かったり、好き嫌いがある場合は栄養不足に繋がります。

体重が増えている場合は問題ありませんが、もし体重も増えていないようでしたら一度小児科で先生に診てもらいましょう。

睡眠不足

昔から「寝る子は育つ」という言葉があるように、赤ちゃんは眠ることで成長していきます。

身長が伸びるために必要な成長ホルモンは、夜間のノンレム睡眠の時によく分泌されます。もし眠りが浅いようであれば、このノンレム睡眠の状態にならず、成長ホルモンもあまり分泌されません。

睡眠時間は月齢によって変わってきますが、生後1~2ヶ月は15~14時間、生後3~4ヶ月は14~13時間、生後6ヶ月~1歳は13~11時間は眠ると言われています。この睡眠時間を切っているようであれば、注意が必要です。

対策としては、もし明るい環境に常に置いているようであれば暗いところで眠らせてあげる、といった対応が必要です。

また、運動不足だとなかなか眠らないこともあります。そのため、日中身体を動かすような遊びをしてあげると眠りも深くなっていきます。

ストレス過多

赤ちゃんだからといって、ストレスを感じないということはありません。環境が変わったりすることで、ストレスを受けることもあります。

この場合は、ストレスを受けさせないように刺激をできるだけ減らしてあげたりすると、緩和されることも多いようです。また、いっぱい愛情を注いであげることもストレスを緩和するポイントです。

早産で小さめに生まれた場合

早産の場合も低身長がみられる場合があります。SGA性低身長症(SGASmall for Gestational Ageの略)と言われることもあります。

ですが、発育曲線のカーブに沿って少しずつでも成長しているようであれば心配いりません。また、体重だけでなく、首すわりやおすわりなど、発達面でも問題がなければ、安心です。

もし3歳くらいになってもなかなか伸びない場合はホルモン注射などの治療が必要になりますので、小児科で診てもらいましょう。

病院が原因のケース

以下のケースの場合、小児科での治療が必要になります。

医師があなたの子供が成長が遅すぎる、または全く成長していないことが分かった場合、さらなる診察や処置が指示されることがあります。これが発症するのはわずかな確率です。

病気の場合は低身長以外にも症状が出ることもあるので、早めに先生に相談しましょう。

成長ホルモンの異常

睡眠等で分泌される成長ホルモンですが、これは病気により不足し、身長が伸びない場合もあります。

出産時に仮死状態で生まれたり、脳に外傷がある場合は成長ホルモンが上手く分泌されず、これを成長ホルモン分泌不全性低身長症と呼ばれています

甲状腺ホルモンの不足

成長ホルモンと同様、甲状腺ホルモンは骨を成長させるため欠かさないものであるため、甲状腺ホルモンが不足すると低身長の原因になります。

慢性甲状腺炎によって甲状腺が破壊されるもの(原発性甲状腺機能低下症)、生まれたときから甲状腺機能に低下が見られる先天的なもの(クレチン症)などがあります。

染色体の異常

染色体の本数が足りない、異常があるということで身長が伸びないケースもあります。

具体的な病名としては、ターナー症候群(性染色体に欠損がある病気)やプラダー・ウィリー症候群(15番染色体の異常)、ヌーナン症候群(常染色体優性遺伝に異常が見られる病気)といったものになります。

ターナー症候群は女の子2000人に1人、プラダ―・ウイリー症候群は1万人に1人、ヌーナン症候群も2000人に1人と言われています。

この症候群では、1つの性染色体の全部または一部が欠如しており、ホルモン補充による治療が必要となります。

骨・軟骨の異常

骨や軟骨に異常があると身長が伸びないことがあります。具体的には軟骨異栄養症と言われており、胴体に比べて手足が短かったり、O脚になってしまったりします。

臓器の異常

心臓、肝臓、消化器などの臓器の疾患があることで生きるために必要な栄養を取り込むことができず、身長の伸びに影響が出る病気です。慢性腎不全などが代表的な病気です。

根底にある症状の適切な治療を行うことが、子供の成長を回復させる最も効果的な手段です。

個人差が大きいので、温かく見守ってあげよう

赤ちゃんは成長が著しいので、つい身長が伸びなくなったりすると心配になってしまいます。

ですが、身長は個人差が大きいものです。その子なりの成長をゆったりと見守ってあげましょう。

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