赤ちゃんが生まれて初めての大イベントであるお宮参り(初宮参り)。しかし、特に初めてお子さんが産まれたパパ・ママにとって、お宮参りがいつで、何をやる行事なのかきちんと把握できていないことも多いと思います。
そこで今回は、お宮参り(初宮参り)について詳しく解説をします。
お宮参りは、赤ちゃんが無事生まれたことを神様に報告する行事
お宮参りとは、赤ちゃんが無事生まれ、生誕1ヶ月を迎えることができたことを「産土神(うぶすながみ)様」に感謝して報告する行事のことです。産土神様は生まれた土地の守り神のことを言います。
また、お参りすることで氏子(うじこ)の一員としてもらう目的もありました。
もともとは同じ血縁関係にある一族がその祖先を祭ったのが「氏神」で、「氏子」はその氏神様に祭っている子孫のことを指します。現在ではこの「氏神」と「産土神」の区別はほとんどなくなっています。
正式には初めて神社にお参りするため初宮参り(はつみやまいり)もしくは初宮詣(はつみやもうで)、産土参り(うぶすなまいり)と言うのですが、単に宮参り(お宮参り)ということが多いようです。
近くの神社にお参りするのが一般的
上に書いた通り、お宮参りは生まれた土地の守り神である産土神様に報告する行事であるため、本来の意味を考えると家の近くの神社に参拝するのが通例です。
ただし最近では、家から離れている有名で大きな神社に行く家庭も増えてきているそうです。特にどこの神社に行くべきという決まりはないため、ご自身でよいと思った神社に行くとよいでしょう。
また、安産祈願と別の神社でも問題ありません。同じ場合は、安産のお礼参りも兼ねることができます。
信仰によっては、教会や寺院にすることもあります。
時期はだいたい生まれて1ヶ月経った頃
お宮参りの時期は様々で、男の子は生後31日や32日、女の子は32日や33日に行われる傾向にありますが、地域によって変わってきます。主に生後1か月頃に行われていることが一般的です。一番早いところですと7日目に、遅いところだと100日目に行くところもあるようです。
また、京都においては、女の子が早くお嫁に行けるようにと、男の子よりも早い時期にお宮参りを済ませる風習があります。
最近では1ヶ月という時期にあまりこだわらず、ママの体調が安定してきた時期にお宮参りをするという家庭も増えています。特に出産後の1ヶ月はママの体調は不安定になりがちなので、無理をして決まった日に行くよりは、体調と相談していく日を決めるというのも一つです。
また、天候も考え、寒い日や暑い日は避ける場合もよくあります。
大安で行う必要はなく、仏滅で行っても全く問題ありません。
お参りの方法は、通常の参拝と同じか、お祓いを受けて祝詞を上げてもらう方法の2種類
お宮参りの方法は2種類あります。
1つは通常の神社の参拝と同様、神社に訪問しお賽銭を入れてお祈りをする方法。これは特に準備等は必要ありません。参拝するときは、初詣の時などと同様、手水舎(ちょうずや)で口と水を清めるようにしましょう。
もう1つは神社でお祓いを受けて祝詞(のりと)を上げてもらう方法です。この場合、事前に神社に連絡をして申し込みを行い、当日謝礼として初穂料(もしくは玉ぐし料)を支払います。
初穂料については神社によって様々ですが、おおよそ5,000円~10,000円程度です。初穂料については、神社に直接確認を取るとよいでしょう。神社がホームページを持っている場合、そのホームページに料金が載っている場合もあります。
お祓いをしてもらう場合は、予約が必要な場合もありますのでまず神社に問い合わせをしましょう。また、お祓いをしてもらう場合はずっと赤ちゃんを抱きっぱなしになり、長いところだと40分~1時間程度になることもあります。そのため、祝い着の下にスリングなどを着用しておくのも良いでしょう。
お祓いをしてもらうことが正式ですが、通常の神社の参拝方法をとる方も多いです。大切なのは、その子が元気に生きていけるようお祈りをすることです。
参加者は、赤ちゃん・両親・両祖父母
実は昔は出産は穢れのあるものと考えられており、その穢れを払うというのがお宮参りの目的でもありました。そのため、参加者は赤ちゃん・父親・父親の祖父母であるというのが伝統的でした。また、仲人、産婆なども一緒に参加していました。
なぜ出産が穢れのあるものと考えられていたかというと、出産は血や死とも関連が深いものだったためです。そのため、ママや赤ちゃんはしばらく身を慎んで過ごす「忌み」の期間があったそうです。出産後しばらくは水に触れてはいけない、神社に近づくのは厳禁、といったルールもありました。
しかし、現在はそのようなイベントではなく、赤ちゃんの今後の健やかな成長を祈るという観点が強くなっているため、参加者としては赤ちゃん・両親・両祖父母が基本です。
服装は和装と洋装の2種類。家族の服装は赤ちゃんに合わせるのが一般的
赤ちゃんの服装
赤ちゃんの服装は、和装と洋装の2種類があります。
伝統的な和装の場合、赤ちゃんに白羽二重の内着を着せて、その上に祝い着をかけます。
昔は母方の実家から贈るのがならわしとされていましたが、最近ではこだわらず好きなものを選ぶ人も増えています。祝い着は独特の華やかな絵柄が施されていることも多く、男の子は強くたくましく、女の子はやさしく愛らしく、という想いが込められています。
正式な祝い着には、男の子は鷹や鶴などのめでたい図柄の、のし目模様の着物を着せます。本格的なものは家紋を入れることもあります。
女の子の場合は花柄などをあしらった友禅模様の紋付で、模様は蝶や手毬、御所車(ごしょぐるま)といっためでたい図柄が入ったものになります。
洋装については、ベビードレスに白いケープをかけるというスタイルが主流です。このベビードレスは、出産した後に退院した際に着せたものを流用する方も多くいます。
一度しかないイベントでもあるため、レンタルするのも一つの選択肢です。予算は当然購入するよりも安く、1/3~1/5で済むことも。写真を撮る場合は、写真館でレンタルして撮影時だけ着させるという方法もあります。
また、祝い着は直して、七五三の時に再利用する場合もあります。
家族の服装
家族の服装は、基本的に赤ちゃんに合わせます。例えば赤ちゃんが和装の場合は家族もパパは紋付き袴・ママは留袖や訪問着などを着ます。赤ちゃんがベビードレスの場合、家族も洋装にします。
ただし、最近は赤ちゃんが和装でも家族は洋装にするという家庭も多いようです。ただし、パパとママの服装がちぐはぐにならないよう、格を合わせておく方が良いでしょう。
赤ちゃんを抱っこするのは父方の祖母が伝統的
赤ちゃんを抱っこする役割は、パパの方のお母さま(赤ちゃんにとっては父方の祖母)が担うのが伝統的です。これは、前述のように出産したばかりの女性は穢れていると考えられていたため、神社にお参りできなかったためです。
ただし、最近ではこういった風習にはこだわらず、交互に抱っこしたり臨機応変にする家庭の方が多いようです。
参拝後は写真撮影や食事に行くことも多い
正装した状態で家族がそろうことも少ないため、せっかくの機会ですので写真撮影をするとよいでしょう。
写真撮影は自分たちのカメラで撮るのもよいですし、時間とお金に余裕があれば写真館で撮ってもらうのも良いですね。写真にはメッセージを添えておくと、後々見返したときの思い出になります。
また、そのあとに食事に行くのもよいでしょう。
ただし、お宮参りは午前中に基本的に行われることが多いため、有名な神社ですと近隣の食事処は混雑することもあります。大人数で行く場合は、食事処やレストランなどに事前に予約をしておきましょう。
地域によって様々なお宮参りの風習
お宮参りは地域によって様々な風習があり、お祝いの仕方は祖父母に確認をしておいた方が良いでしょう。
例えば、神様が赤ちゃんに気づいてもらえるようつねったりしてわざと赤ちゃんを泣かせる、といったものや、額に「犬」や「×」と書いて魔除けをする、といったところもあります。
また、面白いところでは祝い着のひもにお守りやでんでん太鼓などを結び付け、赤ちゃんを抱いた人の背中に垂らしたりするという風習があるところもあります。
お宮参りの前後に親戚や近所に対してお礼に回ることもあります。いずれにせよ、地域によってやり方も異なるため、その地域に合ったやり方でやった方が無難です。
お宮参りで赤ちゃんの今後の成長を祈ろう
お宮参りは赤ちゃんにとって最初の大きなイベントであり、家族にとっても幸せな瞬間でもあります。
ただし、上にも書いた通りママは出産して1ヶ月ということもあり体調がすぐれない場合もあります。その場合は無理せず、自分たちが良いと思ったタイミングでお宮参りをしましょう。
赤ちゃんの今後の成長を祈って、思い出深いお宮参りにできるとよいですね。